遠方へ

こんにちは。ちろるです。

 

本日は進学のお祝いをくださった方に絵葉書でも送ろうと意気込んだのも束の間、シャッターの降りた郵便局の姿が目に入りました。すでに営業時間が過ぎていたようです。肩を落とした私は、冷蔵庫の中のアイスを思い浮かべることでその落胆をやり過ごしました。感情のコントロールとは難解なものです。

 

ところで現代の人々は、手紙を遠方にいるどなたかに送った経験はあるのでしょうか。私は思い出せる限り手紙を最後に出したのは、小学生の時の仲の良かった友人の真似事をした以来なような気がします。年賀状こそ親の方針もあって出しており、あくまで形式的な、感情のこもらないものでした。かと言って年賀状をやめるのは日本の文化を断絶してしまうような気がして、結局無為に紙を消費しているだけになりましたが。

 

調べてみれば、年賀状は平安時代からの風習だそうです。人間というのは不思議で、伝統を受け継ぐことに価値を見出します。本当に不可解な生き物です。人間というのは。

指先一つで送れるメッセージが今時とは言うかもしれませんが、そうした伝統にのっとって一文字一文字にペンを伝って思いを書き記すことは、1000年以上も時を超えるほどに人間にとって魅力的だったのです。

 

それでは。